写真は土佐くろしお鉄道具同駅です。
 平成9年10月の宿毛線開業から利用され始めたこの具同駅周辺は、大型量販店の集合施設の建設が進み、大きく様変わりしようとしています。
  これらの施設が営業をはじめると、この周辺はさらに多くの人々で賑わうはずです。しかし今具同駅を通る列車の姿は見られません。
撮影:2005/3/9


 平成17年3月2日に宿毛駅構内で起こった列車事故。連日新聞やテレビで報道されているように、その原因の調査が進められています。そしてその調査と平行し復旧作業もようやく開始されました。

 3月8日からその復旧作業が行われていますが、まずは破損した駅舎を解体し、事故車両を撤去する作業が行われています。作業の関係で宿毛駅構内は立入禁止となっていますが、周辺からはその様子を見ることができます。

 現在、中村−宿毛間は代替バスを運行しています。代替バスの時刻表はこちらをご覧ください。


※以下の写真は中村・宿毛線運営協議会HPのデジタル写真館より抜粋しています。本文の内容とは関係ありません。

 さてここからが今回の本題です。地域住民の足として活躍する土佐くろしお鉄道ですが、この機会に土佐くろしお鉄道と中村市を含む周辺自治体との関連について紹介したいと思います。

 土佐くろしお鉄道株式会社は昭和61年に、国鉄の民営化により廃線となる中村線を存続させるために、高知県と周辺8市町村、民間企業が総額は4.99億円を出資し設立された、いわゆる第三セクターです。中村市はこの時に3,170万円を出資しています。

 昭和63年に中村線が営業を開始し、その後平成9年には中村−宿毛を結ぶ宿毛線の開通、平成14年には南国−奈半利を結ぶ、ごめん・なはり線の開通と路線を拡大しています。

 各路線が黒字経営を続けることができれば、特に何もないのですが、皆さんご存知のとおり各路線とも黒字経営という訳にはいかないのが現状です。

 このため沿線自治体では協議会を組織し、土佐くろしお鉄道に対し様々な支援を行っています。

 協議会は「土佐くろしお鉄道 中村・宿毛線運営協議会」と「ごめん・なはり線活性化協議会」の二つが組織され、それぞれ沿線の自治体で構成されています。

 最近中村・宿毛線運営協議会がHPを作りました。時刻表の情報などありますので是非活用していただきたいと思います。 《中村・宿毛線運営協議会HP》
 ここで紹介されている取り組みなども支援の一環ですが、やはり気になるのは財政支援となります。

 中村・宿毛線運営協議会の構成自治体は、毎年くろしお鉄道に対する財政支援のために一種の積立貯金をしています。

 この積立貯金くろしお鉄道設立当時に国からの交付金や住民からの寄付金なども含めて始められたもので、正式名称を「中村市鉄道経営助成基金」といいます。

 

 当初10億円を目標に始められたこの積立貯金、ピーク時には約11億円ありましたが、毎年の経営赤字の補てんや施設の整備等に取り崩しているため、平成16年度末の残高見込みでは約1.5億円にまで減少しているのが現状です。

 中村市の場合毎年の積立の額は、くろしお鉄道が中村市に納める固定資産税とほぼ同額としていて、平成15年度は約3,200万円でした。中村・宿毛線運営協議会全体では約6,500万円を積み立てています。

 この全てをすぐに使ってしまう訳ではなく、経営赤字の補てんや、不測の事故に対処するために蓄えておくのですが、いずれにせよ中村・宿毛線を維持して行くための積立貯金は減少しています。

 そして、平成15年12月に発生した佐賀町での土砂崩れへの対応等で、くろしお鉄道の経営は更に逼迫していることから、平成17年1月の協議会で、平成17年から5年間に県と周辺市町村で6億円の追加積立を決めたところでした。

 普段鉄道を利用することの少ない人にとっては、今回の宿毛駅の列車事故もあまり身近なものとしては感じられなかったかも知れません。しかし中村線、宿毛線共に地域の重要な公共交通として行政が支援を行いながら運営を行っているものです。言い換えれば地域住民みんなで運営している大切な地域住民の足なのです。

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